『冗談抜きでマジで勝てる気がしない!!!!』
「斉藤君っつったっけ?」
そう声を掛けられて内心かなりビビってる俺・ω・;
だって仙蔵くんが矛先全部自分にくるって言ってたから、じゃあ大丈夫だね☆って余裕ぶっこいてたから余計に!!
錫高野くんが前髪の隙間から無表情でジッと俺を見る。うわぁ~、周りから噂聞いたり見かけた事はあったけど、実際話すのは初めてなんだよねぇ。
あの忍術学園ナンバー1の立花仙蔵くんの恋人で、でもって忍者としてはめちゃくちゃ強くて、キレると恋人の仙蔵くんにまで何するか分からない鬼畜で、性格凄く悪い(ってこれは仙蔵くんが言ってたんだけど)って話の錫高野与四郎くん。
もう!何で今日に限って仙蔵くんお使いなんて行ってるの!?そりゃ昔はブイブイ言わせてた俺だけど、
・・・チラッ
ジッ
ムリムリ!!冗談抜きでマジで勝てる気がしない!!!!
「・・・あのよぉ、」
「はいッ!!!!」ビックーッ!
シャリ・・・
「だからよぉ、いっつも自分で切ってたんだぁよ」
チョキチョキ・・・
「やっぱり!ヨシくんの事初めて見た時から何か気になってたんだよねぇwww」
パラパラ・・・
「おぉ~、やっぱプロの目は誤魔化せねぇなぁwww」
・・・・どういう事になっているかというと、
「あ!先に聞いとくけど、前髪はどれくらい切ったらいい?」
「うぅ~ん・・・タカ丸に任せた!」
「おぉっと!それは責任重大www」
ヨシくんの髪を切っていたりする^ω^♪
“・・・あのよぉ、”
“はいッ!!!!”
“髪、切って欲しいんだけんど”ニコッ
“・・・・・え?”
一体どんな報復をされるかと思っていたら、髪結いのお願いだった。
“ショ、ショートカットってあんまりやった事ないから、失敗したらごめんね・・・”
始めは戦々恐々としてた俺だったけど(だって噂のイメージが強すぎて!)、自分が髪結いなこともあってか、すぐに打ち解けてしまった。
あ、ちょっと違うかな。俺が髪結いだからってだけじゃない。ヨシくんもすごく気さくでノリの良い子だったのも大きかったと思う。
“斉藤君、四年生だっけ?身長でっけぇなぁ”
“あ、ぼく途中編入で四年生に居るけど、歳は十五なんだ”
“え?んじゃ同ぇ年?”
“うん、錫高野くんと一緒だよ”
“ほんなら錫高野くんなんて呼ばねくても与四郎でいいよぉ”
“え、でも”
“なんならヨシくんでもいいしw俺もタカ丸って呼ぶからよぉww”
同い年でも学園の六年生はやっぱり先輩って感じがして名前にくん付け、向こうもなんとなく呼びにくいのか苗字で、お互い名前だけとかあだ名で呼んだりするのを遠慮してた。
“じゃあお言葉に甘えようかな。ヨシくん?”
“んwタカ丸ww”
だからヨシくんがそうやって言ってくれて嬉しかった。
その後は学園の最近あった事件とか、風魔の話とか、変り衣の術はやっぱり無理があるよねぇって話をしたり、ヨシくんが自分で髪切ってるって話をしたりと、すごく会話が弾んだ。
「ヨシくんの髪ってちょっと癖っ毛だけど、案外ツヤがあるね。もっと酷いかと思ってた」
シャリ・・・
「マジかw」
「だって仙蔵くんがヨシくんの髪触り心地悪いとか言っ、!」
そこで俺はハッとなった。
ヨシくんとこんなに打ち解けちゃって忘れてたけど、
「タカ丸?どうしただぁよ?」
あの噂ってもうヨシくんの耳に入っちゃったのかな!?
「う、ううん!何でもないよ」
下手に話振ってヤブヘビっても事もあるかもしれない・・・!!
俺は平然を装って、鋏を動かした。
「あ、そうそう。タカ丸、」
チョキチョキ・・・
「なに?」
「俺、タカ丸が仙ちゃんと“気持ち良いコト”したって聞いたんだけんど」
ヂョキ!
「ちょ!今の音でぇじょうぶ!?」
「だ、大丈夫だよっ!!」
あ、危うく切り過ぎるところだった;
「・・・あの、怒ってないの?」
ビビったーwと笑っているヨシくんに意を決して聞いてみると、特に気に留めた様子もなく俺の言葉を肯定する。
「別に~ww」
でも正直下心(髪結い的な)があって必要以上に触ってたんだよ。言わないけど、言えないけど!!
「タカ丸は髪結いで仙ちゃんは美髪の持ち主。そりゃ触りてぇってなんのも無理ねぇってw」
バレてる・・・;
でもってすごく申し訳ない。ヨシくん笑ってるけど、本当は嫌でしょ?大事な恋人の髪をいくら髪結いだからって別の男に触られるの。
顔を合わせずらい。でも前髪も切らなきゃいけない。俺は恐る恐るヨシくんの正面に回り、その顔をそうっと窺った。
ニコッ
「そおんな顔しねぇでもいいって」
「っ!」
ズキューンッ!∑(゜ω゜*)
え、なに、この気持ち・・・・
「仙ちゃんの髪がそんだけすげぇんだってことだべ?でもって裏を返せばタカ丸の目も本物って事じゃんかww」
だからタカ丸も気にしねぇでもいいよぉ、とヨシくん。
なんだろう、この気持ち。
兵助くんに対するのとは違う、
何て云うか、
「ヨシくんっ!」ガバッ!(>ω<*)
「おぉっ!?」
思わず抱き付いた俺にちょっとビックリしたみたいだけど、ヨシくんはまたすぐに笑って、俺の背中をポンポンと叩いた。
「俺、俺!ヨシくんの髪すっごく格好良くしてあげるからね!!」
「あはははwありがとう」
なになに、仙蔵くん!ヨシくんすごくいい子じゃない!!!
その時、俺は全然気が付かなかった。
「・・・くっw」
「あいつ・・・・・!」
僕の後ろ、ヨシくんの正面から、仙蔵くんがこっちを見ていたのに・・・!!
(何故だ・・・凄く・・・イライラする!!)
(仙ちゃんには仙ちゃんでまたじ~っくり詳しく話きくからよぉwそれと、タカ丸も・・・・・)
~後日~
「仙蔵く~ん!なんで~?なんで髪触らせてくれないの~!?」;ω;
「ちょっとな・・・」
「そんなぁ~!!」
「んw狙ぇ通りwww」
お願いだから、今度からはヨシくんの許可取ってからにするから!!
「髪触らせて~~!!」;>ω<;
***
とりあえずタカ丸が可愛すぎる件!!ニマニマが止まりませんww
顔文字が…!もう愛しすぎるww
動揺するところとか可愛い…!与四郎さんに懐くタカ丸に悶える!!
抱きつくあたりでもう胸がきゅんきゅんでした…ww
与四郎さんもそこまでは予想外だったらしく、でも仙さまがやきもちしてくれて儲けですねww
それで、あまりにもタカ丸が可愛かったもので、こんな続き まで書かせていただきました…
土下座必須ものですが、拘束プレイやらタカ丸がこんなに可愛くないタカくくでも許せる方だけどうぞ。
加宮さんありがとうございました!!幸福死すんぜんだよ…っ!